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【逆子】鍼灸を受けても逆子がもどらないときの受けとめ方

えみすけ

こんにちは!
住吉区で小児はりをやっているRISA鍼灸院 院長えみすけです。

先日、とある妊婦さんのツイートを見ました。

引用は避けますが、

自費で○○○○円払って鍼灸施術に何回か通ったけど、逆子はもどらなかった。ただわたしの血流が良くなっただけだった……。

お医者さんに聞いたら、
「鍼灸で逆子がもどる、という医学的根拠はないので」て言われちゃったよー!

みたいなことが書かれた投稿。

この方の逆子がもどるといいなぁ、と願いつつも、鍼灸師としては、どうしてこういうツイートがうまれるのか、そこは真剣に考えなあかんなと思ったので、ブログ書きます。

今から妊娠しようとしてる方も、
今まさに逆子なんだが、という方も、
あくまでも鍼灸師としてのわたし一個人の意見として、知っておいていただけるとうれしいです。

目次

逆子の妊婦さんが帝王切開を避けるための、3つの対処法

まず、妊婦さんが病院で「逆子ですね」って言われたとき、どうすればいいのでしょうか?

逆子は、その95%ぐらいは自然に頭位(頭を下にする)になるといわれていて、お医者さんは「心配しなくてもいいですよ、そのうちもどるでしょう」ってお話されることが多いと思います。

そして実際に、何もせずに過ごして、妊娠33wぐらいになって、焦って鍼灸院に来院される……という方もいらっしゃいます。

赤ちゃんは、お腹の中でどんどん大きくなるわけですから、週数がすすめば、自然と、動けるスペース自体がせまくなってきます。

だから、仮に、なにもしなくても勝手に逆子がもどるのだとしても、逆子だとわかった時点が早い週数であればあるほど、赤ちゃんが回転しやすい(逆子がもどりやすい)といえます。

もちろん、妊娠35wでももどる人はもどるんですけど、確率的にね!

以下に、逆子への対処法を3つ挙げておきます。

①外回転術

外回転は、医師が、妊婦さんのお腹を外側からぐーんと押して、赤ちゃんを物理の力で頭位にさせるというやり方です。実施時期は36〜37w頃のようです。

エコーを見ながら慎重におこなわれるもので、術後は念の為1日入院、なにもなければ翌日退院できます。

全世界のデータでは、成功率はだいたい60〜70%程度。リスクももちろん説明されますが、個人的にはいちばんおすすめしたい方法。

ただ、手技であるために、医師の力量や経験によって効果に差があるのが実情のようです。リスク回避のために外回転術を行わない産院も多く、「やったことないので自信ないです」という医師もやはりおられるのだとか。

これでもどる人は、ほんとに数分で「はい、もどったよ~」て言われるので、「今までの心配はなんやったん??!!」てぐらいにあっさりもどるみたいです。

ちなみに過去、当院の逆子施術で通院されていた方が、外回転術を受けられたのですが、その際に先生が「鍼灸に通って、お腹がやわらかくなってたからもどりやすかったんちゃうかな?」てゆうてくださったみたいで。

実際のところはわからないけど、そうやって言ってもらえたらめちゃうれしいですね。

②逆子体操

今は、昔ほど必須というかんじでは指導されないみたいです。

昔は当院でも、「逆子体操しんどくて続けられません」とか「逆子体操するとお腹が張るんですが、やらなきゃだめですか」とかのお問合せもありました。

エビデンスでいうと、逆子体操で逆子がもどりやすくなるというデータはありません。

なので当院でも「してもしなくても、どっちでもいいですよ!」とお伝えしています。

③鍼灸施術

ブログ冒頭の、元ツイートにもありますが、鍼灸も逆子体操と同じく、逆子がもどりやすくなるというエビデンスはありません。

よく、医師に「鍼灸を受けてもいいですか?」と確認をとりましょう、という旨の記述もありますが、医師としても「自己責任で」としか言いようがないのが実情かと思います。

そこまで激しく禁止するものでもないけど、やったからといって、逆子がもどるってわけでもないよ、というかんじですね。

え、じゃあツイートのとおりやんけ。

じゃあお灸で逆子がもどるって謳うなよ。

て思われる方もおられるとは思うのですが、

そもそも思うのは、

逆子がもどるかもどらんかは、赤ちゃんが決めてる

ってことなんですよね。だから、外から人がどうにかしようとしたって、そりゃ無理だろうと。

子育ては、親の思うとおりにいかないのと同じで、胎児の向きも、他の人にはどうすることもできないのだと思っています。

鍼灸施術でできるのは、あくまでも

赤ちゃんが、動ける、または動きやすい環境をととのえること

にすぎません。とはいえ、何も準備せずに赤ちゃんが動くのを待つのと、「いつでもまわってくれてええで、そのための環境は良好に保ってるで!」という心構えで待つのとでは、また少し違うだろうし。

赤ちゃんがいざ動く気になったときに、動ける環境であるかどうか、ってことを念頭において、自分の体づくりをしておくのがベストだと思っています。

逆子の妊婦さんが鍼灸を受ける意味はある?

逆子がもどるかもどらんかがわからんのやったら、鍼灸受ける意味ないやん

と思われる方はおられると思いますし、
「逆子をもどすため」に鍼灸を受けるのであれば、意味がない(=逆子がもどらない)ときもあると思います。

ただ、多くの鍼灸師は、逆子に限らず、妊婦さんに鍼灸施術を受けてほしいと思っています。

そしてわたしももちろん、「逆子の妊婦さんが鍼灸を受ける意味は大いにある!」と思っているうちのひとりです。

ちょっと昔の話にはなるんですけど、以前、逆子で来院された妊婦さんがいました。

その方は、かなり真面目に通ってくださって、たぶん、13回ぐらい通院してくれたんです。だけど、逆子はもどらず、帝王切開で無事に出産されました。

逆子がもどるかもどらんか、でいうと、もどってません。でもこの方は、のちに、口コミを書いてくださいました。(以下、引用)

妊娠してからずーっと逆子で、いよいよ産婦人科で逆子体操をしてくださいと言われたのが29週の時でした。

まだまだ回るから大丈夫と言われていましたが、絶対に経膣分娩がよかったのでやれることはやっとこうと思い鍼灸治療を受けることにしました。

鍼は怖くて痛いイメージでしたが、えみ先生はとても優しいし、身体も丁寧に診てくださるので安心して治療を受けることができました。

週2~3回出産ギリギリまで通いましたが結局逆子はなおらず(笑)

出産直前は帝王切開が嫌で嫌で泣きわめいたりしましたが、今となっては逆子でよかったなと思います(←強がりではないです!笑)

というのも逆子をなおす鍼灸だけでなく、身体の調整もしっかりしてくれる全身治療でしたので、

出産当日まで何の不調もなく元気に過ごすことができました!本当にびっくりするくらい元気でした(笑)

それに生まれてきた娘もとても元気ですし、とても育てやすい子です。

育児がしんどいと思ったことは1度もなく、とにかく可愛くて楽しくて♡産後鬱とは無縁なのも鍼灸のおかげかなと思っています。

逆子でなければ受けることもなかったであろう鍼灸治療。本当に出会えてよかったなと思います。

逆子ではない妊婦さんにも是非とも受けていただきたいです!たくさんの人にとって鍼灸治療がもっと身近なものになればいいなと願っています★

わたし、この方にこの口コミをいただくまでは、やっぱり「逆子がもどらなくて申し訳なかったな・・・」と思っていたんです。

自分の中で、「逆子がもどる=いいこと」だと思っていたので、あぁ患者さんの想いを叶えてあげられなかった……って少し気落ちしていました。

でも、確かに、逆子がなければ出会うことがなかったかもしれないご縁をもてたことも、他のトラブルがほとんどなくなって元気で出産に臨めたことも、とにかく価値があることで。

そして、産後の育児を、心配していたよりもずっと楽しく元気に行えていることが、なにより素晴らしいことなのだなと気づけました。

元ツイートでは、

「ただ自分の血流が良くなっただけやった・・・」

というような表現があったのですが、それってめちゃくちゃ大切なことです。お母さんが元気じゃないと、逆子だろうか頭位だろうが、たのしい子育ては難しいかもしれない。

鍼灸は、これから始まる子育てのベースをつくります。

まずはお母さんのしんどいところをどうにかして、
妊娠中とはいえ、おいしくご飯を食べられること、気持ちよくおつうじを出すこと、ぐっすり眠ること、体の痛みがないこと、などを目指していく。

そのなかで、赤ちゃんも心地よくなって、もしかしたら動く気になるかもしれない。ならないかもしれない。

わたしの目指す、逆子の鍼灸施術はそんなかんじです。

鍼灸師といっしょに、出産への準備をしていこう

時々、なんで逆子になったのか、妊婦さんから理由を尋ねられることもあります。

わたしが身体を冷やしていたからですか?

仕事をがんばりすぎたんでしょうか?

安静にできなかったからですか?

わたしは、

えみすけ

なんででしょうねー🤤

って答えます。(答えてないやんけ)

そりゃあ、東洋医学的にみれば、一応、逆子の弁証分類はあるんです。でもわたしはそれをいちいち伝えないようにしています。

だって、妊婦さんはすぐ自分を責めてしまうことを知ってるから。

ただでさえ自分を責めがちなのに、「これが悪かっらから?」ってこれ以上頑張りすぎることを避けたい。だから、理由はどうあれ、わたしは淡々と施術します。

そして、その中で、心掛けていることは、

妊婦さんに、これから始まる育児に対して自信をもってもらうこと、です。

みんな不安です。
妊婦さんの不安なんて、だれも取り除けない。

だから、不安なままでいいから、でもちょっとずつ、産後の生活に想いを馳せてもらう。

「このまま逆子がもどらなかったらどうしよう!絶対に帝王切開はいやなのに!!」

というお気持ちの方もおられるでしょう。

そういう方に、ゆっくりじっくりとお話をします。

いやだ、怖い、回避したい、という気持ちはそんなにすぐに拭えるものでもないし、最大限そのお気持ちには寄り添いたいと思っています。

でもどこかで、妊婦さんが、「この子が逆子になってるのは、なんか意味があるんかなぁ」と思えたら、少しずつ、赤ちゃんの気持ちを尊重できるのかも。

きっと、生まれてからもそんなことの繰り返しなのかもしれません。「は??なんでそんなことすんの?意味わからん!」って思いながら育児するのもまた、自分(親)の世界が拡がることのはず。

わたしたちが胎児や赤ちゃんから学ぶことは、とっても多いです。こんなこと書くとあれだけど、子どもがいなかった頃の自分が、いかに狭小的な世界でしか物事をみていなかったか、日々ものすごく思い知らされますもの。

そういうお話ができると、逆子でのお産を、少し前向きにとらえられるかもしれません。

鍼灸師が、「逆子がもどることだけを良いことだと捉えすぎない」というのは大事だと思ってるんです。わたしの言いたいことがなんとなく伝わるといいな・・・。

わたしのこういう想いが、来院される妊婦さんに伝わっていたら、逆子がもどらなくても、あのツイートはうまれないんじゃないかなと思ってしまったりしますが、もちろんそんなんわからないんですけど😂

どっち向いてても我が子はかわいい。
そこを大前提として、いっしょに妊娠期を乗り越えたいし、安産目指したいし、育児も楽しみたいですね。

妊娠中の不安な症状も、まずはLINEでご相談ください。

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