
こんにちは!
住吉区で小児はりをやっているRISA鍼灸院 院長えみすけです。
「朝なかなか起きられなくて学校に遅刻してしまう」
「立ち上がると、めまいや頭痛を訴える」
「午前中は体調が悪いのに、夕方からは元気になる」
RISA鍼灸院では、お子さんのこんなお悩みをよく聞きます。
「起立性調節障害」
ネットでお子さんの症状を調べると、真っ先にでてくるのは、この言葉かと思います。
これは、単なる怠けや夜更かしが原因ではなく、れっきとした自律神経の病気。
思春期の子どもの約10%に見られるといわれる疾患で、特に10代の女子に多く発症します。
イメージは更年期みたいなもんで、大人になるときに、ぐわっとホルモンバランスが変わるので、その影響でなりやすいんですね。
この記事では、



「起立性調節障害にも小児はりはいいんですか?」
という保護者さんの疑問に対して、
起立性調節障害の症状、原因、そして東洋医学的アプローチによる改善方法をふまえて、詳しく解説していきますね。
お子さんの体調不良に心を痛めている保護者様たちに、少しでも希望と具体的な対処法をお届けできれば幸いです。
起立性調節障害(OD)とは?
10代の女子に多い症状と特徴
まず、起立性調節障害ってどんなん?てことで、症状を軽くご説明していきます。
起立性調節障害の主な症状
起立性調節障害は、自律神経の機能異常により血圧や心拍数の調節がうまくいかなくなる病気です。
立ち上がったときに脳への血流が十分に保てず、さまざまな症状が現れます。
お子さんにこんな症状があれば、当てはまるかも。
- 朝起きられない・朝に体調が悪い:目覚ましが鳴っても起きられず、無理に起こすとひどく機嫌が悪い
- 立ちくらみやめまい:立ち上がるとクラクラする、目の前が暗くなる
- 頭痛や腹痛:特に午前中に強い痛みを訴える
- 全身の倦怠感:「だるい」「疲れやすい」と頻繁に言う
- 動悸や息切れ:少し動いただけで心臓がドキドキする
- 食欲不振や吐き気:特に朝食を食べられない
- 午前中は調子が悪いが夕方から元気になる:日内変動が特徴的
これらの症状が複数当てはまり、特に午前中に症状が強く、午後から夕方にかけて改善するという日内変動があれば、起立性調節障害の可能性が高いと言えます。
なぜ10代の女子に多いのか
起立性調節障害が思春期、特に女子に多い理由は以下の通りです。
身体的要因:急激な身長の伸びに対して心臓や血管系の発達が追いつかず、血液循環のバランスが崩れやすくなります。
また、女性ホルモンの変動も自律神経に影響を与えます。
心理的要因:思春期は学校での人間関係、受験のプレッシャー、自己アイデンティティの確立など、心理的ストレスが増える時期です。ストレスは自律神経の乱れを引き起こします。
生活習慣要因:スマートフォンやSNSの使用による夜更かし、運動不足、不規則な食事などが自律神経のバランスを崩します。
もちろん男の子もなるんですが、女子は初潮を迎えるということもあり、ホルモンバランスが一気に乱れるんですね。
思春期早発症のお子さんでは、小学校3年生・4年生ぐらいからこのような症状が出たりします。
お母さんも限界…そんな時こそ鍼灸院!
起立性調節障害が「怠け」ではなく「病気」だとわかっていても、毎朝お子さんを起こすのに苦労したり、学校から呼び出されたりする日々が続くと、お母さんも心身ともに疲れてしまいますよね。
「病気なのはわかってる。でも、仕事も休めないし…」
「いつまで続くの?早く良くなってほしい」
そんな気持ちが溢れて、つい娘さんに「いいかげんにしてよ!」などと冷たい言葉を放ってしまった経験もあるかもしれません。
そんなときは、自分を責めてしまいます。が、でも実際大変なことには変わりないし、長期間になればなるほど、大人が普通に仕事に行くのも難しくなってしまいます。
適切なサポートがないまま時間が過ぎると、お子さんは不登校や、学習機会の喪失、自己肯定感の低下といった二次的な問題を抱えることがあります。そして同時に、保護者自身も疲弊してしまいます。
だからこそ、一人で抱え込まず、医療機関や鍼灸院、スクールカウンセラーなど、専門家の力を借りることが大切です。
お母さんが少し楽になることで、娘さんへの接し方にも余裕が生まれてきます。「頑張りすぎないこと」も、回復への大切な一歩なのです。
RISA鍼灸院では、親子ペア割という制度を導入していて、お子さんのはりのついでもお母さんも550円で刺さないはりを受けることができます。
親子でいっしょにこの困難を乗り切るためにも、ぜひお子さんだけではなく、お母さんも施術を受けてください。
起立性調節障害の原因は、自律神経の乱れ【西洋・東洋両方の視点から】
次に、起立性調節障害の原因を、西洋・東洋両方の観点から見ていきましょう。
西洋医学における原因
西洋医学では、起立性調節障害の主な原因を自律神経系の機能異常と考えています。
自律神経は交感神経と副交感神経からなり、心拍数、血圧、消化、体温調節など、意識しなくても働く身体機能をコントロールしています。
思春期には身体の急成長や環境の変化により自律神経のバランスが崩れやすく、特に立ちあがった時の血圧維持機能に問題が生じます。
具体的には、立ち上がった際に下半身にたまった血液を心臓に戻す働きが弱くなり、脳への血流が減少してしまうのです。
東洋医学から見た起立性調節障害
東洋医学では、起立性調節障害を「気血の巡りの不調」として捉えます。
「気」の不足:エネルギー不足により、朝起きられない、倦怠感、やる気が出ないなどの症状が現れます。東洋医学では「気虚(ききょ)」と呼ばれる状態です。
「血」の不足や滞り:血液の量が不足したり、循環が滞ったりすることで、立ちくらみ、めまい、頭痛、顔色の悪さなどが起こります。これを「血虚(けっきょ)」と言います。
脾胃(消化器系)の弱り:東洋医学では、消化器系が気血を作る源と考えます。食欲不振や消化不良があると、気血が十分に作られず、全身に栄養とエネルギーが行き渡りません。
心(しん)と肝(かん)の不調:ストレスや感情の乱れは「肝」に影響し、自律神経の失調につながります。また「心」は精神活動や血液循環を司るため、その不調が動悸や不眠を引き起こします。
鍼灸施術が効果的な理由
小児への鍼灸施術は、基本的には刺さない・痛くない特殊な鍼を使い、皮膚を優しくなでるように刺激する方法をとります。これにより、自律神経のバランスを整え、気血の巡りを改善するんですね。
ただし、体格や効果によっては、大人と同じように鍼を刺す場合もあります。このあたりは、保護者やお子さん本人とも同意を取りながら勧めていきたいところです。
鍼灸施術の効果としては、
- 血流改善による脳への酸素供給の向上
- 副交感神経の活性化によるリラックス効果
- 消化機能の改善
- 睡眠の質の向上
などが期待できます。
西洋医学の治療と並行して行うことで相乗効果が得られることも多くありますので、病院で処方されているお薬などはぜひ教えてください。
家庭でできる対処法と、小児はりによる改善アプローチ
起立性調節障害を改善するには、なんといっても家庭での過ごし方が大事です。
お子さんにだけ「こうしろああしろ」というよりも、これを機に、家族全員で、今までの生活リズムの見直しをしていってほしいんですね。
お子さんの不調は、家族全体の生活を見直すきっかけ。大人も変わっていけると最高です。
まず、理想的な過ごし方は下記のとおりです。
①朝は段階的に起床する
いきなり起き上がらず、布団の中で手足を動かしてから、ゆっくり起き上がるようにします。
起床時間を一定にして、体内時計を整えたり、カーテンを開けて朝日を浴び、体内時計をリセットすることが大事。
しんどそうでも、起こす時間は一定が望ましいです。
②水分と塩分を積極的な摂取する
起立性調節障害では血液量を増やすことが重要です。ちょっとむずかしいと感じるとは思いますが、1日に1〜1.5リットルの水分摂取を目標にしてもらいます。
また、意外と見落としがちなのが塩分。
適度な塩分摂取は血圧の維持に重要です、お味噌汁などから、しっかりと塩分を取り、医師と相談の上で血圧を維持しましょう。
③運動を取り入れる
学校に行けない日でも、無理のない範囲で、1日30分程度の散歩をしましょう。雨の日や、体調がすぐれない場合は、家の中でラジオ体操を。
横になってばかりいると、なかなか血圧は上がりません。
下半身の筋力を鍛えると、血液を心臓に戻す力を強化できます。激しい運動をする必要はないので、習慣にしていくことが大事です。できればご家族のだれかが一緒に歩いてあげられるといいですね。
④睡眠環境の整備をする
ここは、かなり親が頑張らないといけません。
強い気持ちで、就寝1時間前から、スマホや電子機器の使用を控えさせてください。興奮時間が続き、寝つきが悪くなります。
該当するお子さんだけそのような措置になると不満がでやすいので、できれば家族全員そのルールにできたら最高の家族です。大人もです。
また、就寝時間が22時以降のご家庭は、大人の生活リズムも見直してほしいです。できれは21時には寝室に行けるよう、夕飯やお風呂のリズムを変更し、消灯時間を早める工夫をしてください。
⑤食事は3食とる
起立性調節障害になると、朝、おなかがすきにくくなります。なのでつい、おなかがすいたときだけでいいよ、となってしまいがちなのですが、小さいおにぎり1個、バナナ1口だけ、などでもいいので、しっかりと3食をとれるようにしましょう。
食べられそうなときは、タンパク質やビタミンB群を意識した食事にできると最高です。
また、胃腸の冷えを防ぐために、冷たい飲み物やアイスなどは避け、常温や温かいものを口に入れるようにしましょう。
まとめ:起立性調節障害における鍼灸院の対応
起立性調節障害は、ご本人にとっても保護者にとっても、ほんとにしんどい症状です。どうしても経過が長くなってしまいがちだし、親からすると「もうほんま、いつまでこんなんなん???」と泣きたくなる日もあるかと思います。
だけど、自律神経がととのってくれば、必ず改善する症状でもあります。
心が負けそうになるとき、お子さんや保護者の希望になるのは「前よりはここが良くなってきてる!」という実感。少しずつでも前にすすんでいる、という自覚をもてることで、気持ちも上向きになります。
身体がだるい、どこかが痛い状態は、「気」を弱らせ、文字通り「弱気」にさせます。
そして鍼灸院は、その「気」をととのえる場所。
元気になる自分をイメージするためにも、ぜひ鍼灸施術を試してみてほしいと思います。
学校に行けない状態が続いているお子さんは、親子でカウンセリングのお時間を長めにとっておりますので、
小学生・中学生さんともに、
1ヶ月16500円、1回4400円 で対応可能です。
※来院頻度は、月に4〜8回がめやすです。
LINEでお気軽にご相談ください。


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